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ジャガイモを育てるときは、芽を何本残すか、土をいつ寄せるか、掘り時はいつか、と作業ごとに迷いが出てきます。イモを光に当てないよう株元を覆い、葉や茎の枯れ具合と土の乾きを見て収穫します。種イモの準備から芽かき、土寄せ、掘った後の保存まで紹介します。
春植えと秋植えでは、植える時期や種イモの扱いが違います。地域に合う時期を選び、芽の数と株元の土を見ながら育てましょう。収穫したイモも光を避けて保存し、緑色になったものや傷んだものを分けて扱います。
基本・品種|ジャガイモの育つ時期と選び方
ジャガイモは、春植えなら2月下旬から3月ごろ、秋植えなら8月下旬から9月ごろが目安です。地域やその年の気温で少し変わるので、霜の心配が強い時期は無理に急がない方が安心です。
植え付けから収穫までは、おおよそ90日から120日ほどです。植え付け後に芽が出て、草丈が伸び、花が咲き、最後に葉や茎が黄色くなって倒れ始めます。この流れを知っておくと、作業のタイミングが分かりやすくなります。
関東の平地では春植えと秋植えの両方が候補ですが、寒冷地は秋から冬までに育つ期間が短くなります。暖地でも初霜や土が凍る時期を確認し、その土地の栽培暦で収穫までの日数を確保します。種イモは地域の植え付け期に合わせて用意しましょう。
準備|土と畝を整える
ジャガイモは石灰の入れすぎでそうか病が出やすくなるため、酸度を測って必要量を判断します。調整が必要なら石灰を混ぜて耕し、1週間ほどあけて完熟堆肥と元肥を混ぜます。量は製品表示と畝の面積に合わせます。
種イモは、園芸店やホームセンターで栽培用として販売されているものを使います。病気の持ち込みを減らすためです。表面に傷みやカビが少なく、芽がしっかり出そうなものを選びます。
春植えでは大きい種イモを切って使えますが、切り口が乾かないまま植えると腐りやすくなります。切った場合は、切り口を乾かしてから植え付けます。小さめの種イモなら、そのまま植えた方が失敗しにくいです。
畑は水はけをよくしておくことが大切です。ジャガイモは湿りすぎる土が苦手なので、雨のあとに水が残りやすい場所では畝を少し高めにします。肥料は入れすぎると葉ばかり元気になり、イモの太りが悪くなることがあります。
秋植えはまだ暑い時期に土へ入れるため、切り口からの腐敗に気をつけます。小さな種イモを切らずに植える方法を基本にし、品種と植える時期に合う種イモを売り場で選びます。栽培用として用意された健全な種イモを選びましょう。
畝(うね)は、作物を植えるため土を盛った場所です。雨水が畝の間を流れるようにし、通路に水がたまる場合は出口を確保します。土の酸性・アルカリ性を表すpHは、植える前に測って判断します。ジャガイモでは石灰を多く入れすぎると、表面にかさぶた状の病斑ができる「そうか病」が出やすくなるためです。
種まき・植え付け|根づくまでの作業
植え付ける深さは、だいたい7cmから10cmほどを目安にします。深すぎると芽が出るまで時間がかかり、浅すぎると後でイモが地表に出やすくなります。
株間は30cm前後あけると、土寄せや収穫の作業がしやすくなります。種イモの芽が出る方向を上にして置き、土をかぶせます。植え付け直後に水をたっぷり与えすぎると、まだ根が伸びていない時期に湿りすぎることがあるので、土の状態を見ながら調整します。
植えた列の場所が分かる目印を残し、後の土寄せに使う土も畝の脇に確保します。初めから通路を踏み固めすぎたり、隣の畝を近づけすぎたりすると、株が大きくなってから土を寄せにくくなります。マルチ栽培など管理が異なる方法と、ここで説明する土寄せをする栽培は分けて考えます。
管理|芽かき・土寄せと追肥
芽がいくつも出てきたら、元気な芽を2本ほど残して、弱い芽を取り除きます。これが芽かきです。芽を残しすぎると、養分が分散して小さなイモが多くなりやすいです。
土寄せは、ジャガイモ栽培でかなり大切な作業です。イモが土から出ると日光に当たって緑色になり、天然毒素が増えるおそれがあります。株元へ土を寄せて、イモが地表に出ないようにします。
1回目の土寄せは草丈が15cmから20cmほどになったころ、2回目はさらに株が伸びてきたころが目安です。土寄せと一緒に軽く追肥すると、後半の生育を支えやすくなります。
畑栽培のジャガイモは、基本的には雨で足りることが多いです。晴天が続いて土が強く乾くときだけ、朝の涼しい時間に水を与えます。土が湿っている間は水やりを休み、雨の後に水が残る場所は排水を直します。
追肥は、芽かきや土寄せのタイミングに合わせると分かりやすいです。量は使う肥料の袋の面積当たり量に、畝の面積を掛けて量ります。葉が濃すぎて茂りすぎる場合は、肥料が強い可能性もあります。
秋は株元の割れと、露出したイモを確かめる
雨で土が流れた場所、株が傾いて土が割れた場所は、イモが見えていないか確認します。露出していたら周囲の土で覆います。大きく育った株のすぐ近くを深く掘ると、根やイモを傷つけるので、表面の土を浅く寄せるようにします。
黄ばんだ葉があるときは、生育の終盤か、水がたまっているか、病斑があるかを見ます。収穫が近い株は一株を試し掘りし、イモの太りを確かめます。植え付け日とこれまでの追肥日を書いておくと、秋の終わりに迷いにくくなります。
おすすめ用品:元肥・追肥用の肥料・支柱と誘引用品
元肥と生育途中の養分補給に使う肥料です。袋を閉じて湿気の少ない場所に保管すると、次の作業にも使いやすくなります。
株元の外側の土を薄く寄せるための鍬です。柄は約120cm。手持ちの鍬も使えます。刃を株から離れた外側へ入れ、浅く土を寄せます。
収穫・保存|採り時と保存の仕方
収穫の合図は、葉や茎が黄色くなり、株全体が倒れ始めるころです。まだ青々としているうちに掘ると、イモが十分に太っていないことがあります。反対に、長く置きすぎると雨で傷みやすくなるため、天気を見て収穫日を決めます。
収穫は晴れた日が向いています。土が湿っている日に掘ると、イモに土がつきやすく、保存中に傷みやすくなります。掘り上げたイモは日陰で軽く乾かし、傷のあるものから先に使うと無駄が出にくいです。
秋の試し掘りから畝全体を掘る日を決める
わが家では、秋じゃがの収穫日は地上部の枯れ具合と土の乾燥具合を見て決めています。
葉が黄変してきたら、畝の端の1株を試し掘りし、イモの大きさと皮の状態を見ます。試し掘りした株だけが小さかった場合は、隣の株の生育も比べて、畝全体を急いで掘るか判断します。地上部の一部が霜で傷んだだけの場合と、土まで凍りそうな場合は分けてください。凍結のおそれがあるなら、葉が完全に枯れるのを待たずに収穫を優先します。
掘るときは株から少し離れた外側に刃を入れ、土を起こします。イモを引っ張る前に手で土をほぐし、土中の取り残しも探します。掘ったイモは表面を乾かしてから、傷あり・腐りあり・保存用に分けます。
保存用は洗わず、光を遮り、湿気がこもらない箱などへ入れます。箱も光の入らない場所へ置きます。ときどき中を見て、芽、しわ、腐敗のあるイモを見分けます。
片づけ|残った株と資材を整える
収穫が済んだら茎葉を畝から出し、土中に残った小さなイモも拾います。残ったイモが翌年芽を出すと、次の作物の間でジャガイモが育ってしまうためです。病気が疑われる茎葉や腐ったイモは、その場へすき込まず畑の外で処理します。
片づけ後は畝の形と排水を直し、ジャガイモを育てた場所を記録します。トマト・ナス・ピーマンも同じナス科なので、翌作を選ぶときは同じ科の野菜が続かないように考えます。次の野菜の適期と前作(前に育てた野菜)の履歴を一緒に確かめ、植える日を決めましょう。
よくある失敗|症状に合う作業を選ぶ
イモが小さい場合は、芽を残しすぎた、土寄せや追肥のタイミングが遅れた、日当たりが足りなかったなどが考えられます。まずは芽かきと土寄せのタイミングを見直します。
イモが緑色になった場合は、土から出て日光に当たった可能性が高いです。芽は根元ごと除き、緑色になった部分は周囲を含め厚く取り除きます。緑化の強いイモや小さく未熟なイモは食べるために無理に使わず、次回は土寄せを早めに行います。植え付けが浅すぎた場合も緑化しやすくなります。
種イモが腐る場合は、植え付け後に土が湿りすぎていることがあります。水はけのよい場所を選び、切った種イモは切り口を乾かしてから植えるようにします。
芽や緑色の部分に多いソラニン・チャコニンという天然毒素は、通常の加熱では十分に減りません。収穫時と調理前の両方で、芽と緑色の部分を確認してください。苦味やえぐみを感じたものは食べるのをやめます。
まとめ|小さいイモと緑化は、芽の本数と土寄せを見直す
小さいイモばかりになる悩みは、芽かきの節にある元気な芽2本ほどを残す作業から見直します。緑化は土寄せでイモを光から守ることが大切で、雨で土が流れた後も株元を覆い直しましょう。掘り時に迷ったら葉や茎の枯れ具合と試し掘りを合わせ、収穫後も光の当たらない場所へ置くと、安全に使うための管理が続けられます。
よくある質問
花が咲かなかった株にもイモはできますか?
花が咲かなかった株にもイモはできます。品種や天候で花のつき方が違うため、植えた日と株の生育を手がかりに、試し掘りでイモの太りを見ます。翌作に比べられるよう、開花の有無も記録しておくと役立ちます。
そうか病のかさぶたがあるイモは、種イモに残せますか?
そうか病の出たイモは種イモに残さず、次作は園芸店などで栽培用の健全な種イモを用意します。発生場所を記録し、石灰や水はけも見直してください。


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