カブは育てやすい野菜と言われますが、いざ育てると「間引きはどこまで?」「葉に虫がつく」「いつ抜けばいい?」と迷いやすい野菜です。とくに露地栽培では、害虫とトウ立ちでつまずくことが多いです。
この記事では、露地栽培で見かけやすいつまずきを中心に、種まきから収穫までの流れと、迷ったときの判断ポイントを整理します。農薬を前提にせず、家庭菜園でできる管理を優先して書いています。
栽培データと畝づくり
- 科目:アブラナ科(連作障害:2〜3年あける)
- 土壌酸度:pH6.0〜6.5
- 発芽適温:15〜25℃
- 種まき適期:3〜4月、9〜10月
アブラナ科は連作障害が出やすく、キャベツ・小松菜・ブロッコリーなどを育てた後の場所では生育不良や根こぶ病が発生しやすくなります。同じ場所には2〜3年あけて植えるようにします。根こぶ病が心配な場合は、抵抗性品種を選ぶのも有効です。
畝は畝幅1m・畝高10cmが目安です。株間は育てるサイズで変わり、小カブ10cm・中カブ20cm・大カブ30cmを目安にします。元肥は1㎡あたり牛ふん3L・鶏ふんまたは化成肥料100g・米ぬか100〜200gを全面にすき込んでから畝を立てます。カブは養分が多すぎると葉ばかり茂って根が太りにくくなるため、化成肥料は少なめが基本です。土壌酸度がpH6.0を下回るようなら、有機石灰を1㎡あたり50gほどすき込んで調整します。
わが家では、小カブを少し大きめに育てたいので株間を15cmほどとり、大きくなったものから順に収穫しています。一度に収穫しても食べきれないので、この方法だと長く楽しめます(大カブをねらうときは表のとおり株間30cmを確保します)。
種まきと間引きの進め方
カブはまっすぐ根を下ろすため、移植より畑への直まきが向いています。すじまきにして、本葉が出るたびに少しずつ間引き、最終的に株間を10〜12cmほどあけます。間引きが遅れると根が太らず、葉ばかりが茂ってしまいます。
すじまきは、条間20cmで浅い溝を作り、5cm間隔で種をまきます。カブは発芽率がよいので、最初から少し広めにまくと1回目の間引きの手間が省けます。まき終えたら薄く土をかぶせ、手のひらで軽く鎮圧してからたっぷり水をやります。点まきの場合は、深さ1cmほどの穴を15cm間隔(こぶし1個分が目安)であけ、1か所に2〜3粒まきます。
間引いた小さな株は、葉ごとサラダや汁物に使えます。間引きは一度に抜かず、混み合ったところから順に行うと、残す株を傷めにくいです。
抜くときは残す株を引っ張らないように注意します。混み合った芽を抜こうとして隣の株まで一緒に動いてしまうと、根が傷んで太りにくくなります。土が乾きすぎていると抜きにくいので、軽く湿らせてから作業すると安心です。
わが家でも、間引きをせずに株が窮屈になった年は、根が太らずに大きくなりませんでした。葉が混み合ってきたと感じたらすぐに間引き、最終的に株間を10cmほどあけるようにしています。間引きのタイミングを逃さないことが、カブを太らせる一番のコツだと感じています。
水やりと土づくり
発芽までは土の表面を乾かさないように、やさしく水やりします。発芽後は乾いたらたっぷりが基本です。土が硬かったり石が多いと、根の形が悪くなることがあります。種まき前に深めに耕し、未熟な堆肥は避けると形よく育ちます。
乾き具合の判断は、土の表面だけでなく指を少し入れて下の湿り具合も確認すると失敗が減ります。表面が乾いていても中が湿っていることは多く、逆に表面だけ湿って中が乾いていると根の太りに影響します。
春まきでトウ立ちしやすいときの見分け方
春まきではトウ立ち(とう立ち)にも気をつけています。わが家では、葉の中心からしっかりした茎が立ち上がってくるとトウ立ちのサインだと分かります。気温の変化が激しい年に出やすい印象があり、春はあまり早まきしすぎないようにしています。
注意したい病害虫
葉の裏にアブラムシ、葉に穴をあけるカブラハバチの幼虫(黒いイモムシ)、根の表面をかじるキスジノミハムシが出やすい虫です。見つけ次第取り除き、株元の風通しをよくします。
アブラナ科なのでモンシロチョウの幼虫(アオムシ)やコナガもつきやすい野菜です。種まき後すぐに防虫ネットでトンネルを作っておくと、発芽後の食害を大幅に減らせます。虫が出てからかけるより、種まき直後から覆っておく方が効果的です。ネットは間引きのたびに開け閉めするので、トンネル支柱とセットで用意しておくと作業しやすいです。
コンパニオンプランツでは、ニンジン・セロリ(セリ科)やレタス(キク科)との混植が害虫防除に役立ちます。とくにニンジンとの2条植えは、栽培スペースや期間が似ているため相性のよい組み合わせです。マリーゴールドを近くに植えると線虫予防にもなります。
湿気が続くと、べと病や白さび病で葉に斑点が出ることがあります。込み合った葉を整理し、雨で土が跳ねないようにすると広がりにくくなります。詳しい見分けは病害虫の記事も参考にしてください。
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日常の管理と追肥
カブは葉が育ちすぎると根に養分が回りにくくなります。生育の様子を見て、葉の色が薄いと感じたら少量の追肥を株のまわりにまき、軽く土と混ぜます。
乾燥が続くと根がかたくなり、急に雨が降ると割れやすくなります。土の表面が乾いたらたっぷり、を意識して水やりのムラを減らすと、なめらかで割れにくいカブに育ちます。雑草は根の生育を妨げるので、小さいうちに抜いておきます。
収穫のタイミング
小カブは直径5〜6cm、葉のつけ根がふくらんできたら収穫します。採り遅れると割れたり、中がスカスカ(す入り)になりやすいので、大きさをこまめに見て早めに抜くのがコツです。
種まきから収穫までの目安(栽培カレンダー)
カブは年に2回、春と秋にまけます。春まきは3〜4月にまいて5〜6月ごろ収穫、秋まきは9〜10月にまいて11〜12月ごろ収穫が目安です。小カブなら種まきから40〜60日ほどで収穫できます。気温が穏やかで虫も少ない秋まきのほうが育てやすく、はじめて育てる方にも向いています。秋まきは寒さに当たることで甘みが増すのも魅力で、収穫を少し遅らせぎみにすると糖度が上がってまん丸のきれいなカブになります。
一度にたくさんまくと収穫も一度に集中してしまうので、1〜2週間ずらして数回に分けてまくと、長い期間すこしずつ収穫できて使い切りやすくなります。
間引き菜と葉の活用
カブは間引き菜も無駄なく食べられるのが魅力です。間引いた小さな株は、葉ごと浅漬けや味噌汁、炒め物に使えます。とくに葉はβカロテンやビタミンが豊富なので、捨てずに使うと家計にもやさしいです。やわらかい若い葉ほどクセがなく食べやすいので、間引きのたびに少しずつ楽しめます。
よくある質問
葉が虫に食べられます。食べても大丈夫?
葉の食害がひどい部分は取り除けば、残りの葉や根は食べられます。昼に見つけた虫は手で取り除き、昼は虫が見当たらないのに葉が食べられている場合は、夜に活動するヨトウムシなどが土の中に隠れていることがあるので株元の土も確認します。被害が広がる前に、混み合った葉を減らして風通しをよくすると落ち着きやすいです。
カブが大きくなりません。なぜ?
多くは間引き不足で株が混み合っているか、肥料切れ・乾燥が原因です。株間を10cm以上あけ、葉色が薄ければ軽く追肥し、水やりのムラを減らすと太りやすくなります。土がかたい場合は次回、深めに耕しておきます。
収穫が遅れるとカブはどうなりますか?
採り遅れると、割れたり中がスカスカ(す入り)になったり、肉質がかたくなりやすいです。直径5〜6cmを目安に、少し早いかなと思うくらいで抜くと、なめらかでおいしいカブになります。大きさをこまめに見るのがコツです。
カブはプランターでも育てられますか?
小カブなら深さ15〜20cmほどのプランターで育てられます。土を深めに入れ、株間をしっかりあければ、ベランダでも十分に収穫できます。水切れに注意して、土の表面が乾いたらたっぷり水やりするのがコツです。
まとめ
カブは、間引きで株間をあけ、虫を早めに取り、大きくなりすぎる前に抜く——この3つを押さえると失敗しにくい野菜です。
はじめは虫の少ない秋まきから始めると、収穫まで落ち着いて見守れます。小さく間引いた株まで楽しめるのもカブの魅力です。




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