小松菜の芽がまばらでも、わが家は種を足さず、残った株をそのまま育てています。広く空いていれば、残った株がその分大きく育ってくれるからです。
列の空きを埋めるか迷ったら、残った芽の元気さと食べたい量で決めます。ここでは関東平地の露地の秋まきを例に、そのまま育てる・追いまき・まき直しを選び分けます。
全体の流れ:小松菜の芽を見分ける
- 芽と土の変化を見る
- 残す・足す・まき直すを選ぶ
- 次に畑へ出る日に見直す
まだ出ない芽と、出たあと消えた芽を分ける
芽がまだ出ていない場所と、出たあと消えた場所を分けます。前者は発芽の遅れやまき溝の条件、後者は傷みや食害を調べる場所です。種の古さだけでは決めません。
まいた日と品種を種袋に照らし、地域別のまきどきと発芽の目安を読みます。秋は気温が下がるため、暑い時期と同じ速さとは限りません。日数だけで失敗とせず、新しい芽が増えているかも判断に入れます。
芽のある部分では、小さい双葉が増えているか、前回と同じ株が残っているかを見ます。双葉は芽が出て最初に開く葉で、その後に出る本葉とは形が違います。背の低い芽が土の色に紛れて見えにくいこともあるので、列の横からも見て、空いている範囲を急いで決めないようにしましょう。
わが家では、長雨が続いた時に葉物が腐ってしまったことがあります。芽が少ない場所は、水がたまっていないかも確認してください。
空いた位置と土の湿りを記録する
列の端だけか、畝(うね)全体かを見る
列の端・中央・畝(うね)全体のどこが空いたかを記録します。芽のある場所とない場所で、土のかたまり、くぼみ、水のたまり方を比べると、直す範囲を絞れます。
空いた所では、土をかぶせた深さにむらがないか、水やりが偏っていないかも確認します。
まいた日、芽の位置と変化、土の状態を下の表に沿って残します。
| 記録する欄 | どこを見るか | 記入例の書き方 |
|---|---|---|
| まいた日・品種 | 作業メモと種袋 | 日付/袋にある品種名 |
| 空いた位置 | 同じ列の端・中央、隣の列 | 手前の端だけ空いている |
| 芽の変化 | 前回の写真と今の芽 | 芽が増えた/あった芽が消えた |
| 土の状態 | 芽のない部分と芽のある部分 | 端は乾いている/くぼみに水がある |
| 次の確認 | 次に畑へ出る予定と作業の範囲 | 週末に同じ位置を撮って比べる |
写真は目印を入れた畝全体と、気になる部分の接写を撮ります。同じ位置を写せば、芽が増えたか消えたかを後から比べられます。
水を足す前に、まき溝の湿りを確かめる
乾き始めたまき溝を湿らせます。表面だけでなく、芽を傷めない位置の土も少し調べましょう。ジョウロの細かい水を低い位置からゆっくり与え、浸み込むのを待つと種や芽を流しにくくなります。
雨のあとで十分湿っている部分には、追加の水を与えません。水がたまっているなら、畝の周囲の溝がふさがっていないか確認します。湿った土を踏み固めず、残った芽のすぐ横を深く掘らないようにしてください。
芽が消えた部分では株元と食害を見分ける
芽が消えた場所では、葉の穴や食べ跡、地際の茎を調べます。虫は葉裏と周囲の土、侵入口はネットの裾や端を探します。すき間があるだけでは食害と決めません。
茎が地際でくびれて倒れたら、記事末尾のタキイ「リゾクトニア病(立枯病)」の症状写真と株元を比べます。この病気では発芽した苗が倒れて枯れます。写真だけで病名を決めず、土の湿りや傷みが広がる範囲も記録します。
芽がまばらでも残った株をそのまま育てる
残った芽が元気で、食べたい量を育てられそうなら、そのまま育てます。新しい双葉が増えている間は発芽を待ち、列を埋めるためだけの種足しはしません。
空いた所は、周りの株が育つ余地にもなります。ただし、芽が込み合っている所は間引きます。列全体の芽が少なくても、密集した部分では葉や根が競い合うので、その部分の間隔を整えてください。
残った株では量が足りないなら部分的な追いまきを考える
残った株では量が足りず、まとまった空きがあるなら、そこへ種を追加する「追いまき」を選びます。まく時期は、先に読んだ品種の適期内に収めます。
種を足す前に、空いた部分の土と水の管理を整えます。土塊や水たまりを残したり、まいた後に乾かしたりすれば、同じ問題が残るおそれがあります。
追いまきする部分は、大きな土のかたまりを崩して平らにし、種袋にある深さに合わせて土をかぶせます。土粒の間に種が深く落ちると、芽の出方がそろわないことがあります。残った芽の周囲まで鍬で耕さず、種を足す部分だけ整えてください。
追加した日を札へ残し、最初にまいた株と分けて見守ります。先に大きくなった葉に隠れて、追加分が見えにくくなることもあります。追いまきで列をそろえたつもりでも、成長の段階まではそろわないので、一斉に同じ大きさで収穫したい人には不便が残る選択です。
列のまき直しは残す芽と畝の予定を比べて決める
広い範囲で芽がほとんどなければ、土とまき方を整えてまき直します。元気な芽が残る区間は残し、やり直す範囲を絞りましょう。
この選択には、土を整える手間と、収穫までの時間をもう一度使う負担があります。次に別の野菜を植える予定がある畝では、その予定に間に合うかが重要です。種袋の地域別適期から外れそうなら、同じ品種を無理にまき直すのではなく、残った芽を育てるか、次の作付けへ空けるかも考えます。
倒れた芽のある場所は、先ほどの症状写真・株元・土の湿りの記録から、傷みが続いていないかを調べます。耕して同じ種をまくだけでは、病気や水はけの問題が残ることがあります。
選ぶ基準は、食べたい量、収穫のずれ、次の作付けまでの時間、畑で管理できる日です。
追いまきした列は芽の大きさごとに見守る
追いまき後は、芽の大きさごとに間引きます。札と位置を頼りに、追加した小さい芽を一緒に抜かず、大きな葉に押されていないかを調べます。
水やりは追加した区間のまき溝で判断します。大きい株が元気でも、発芽前の土まで湿っているとは限りません。区間の目印を頼りに、乾き始めた部分だけ湿らせます。
種の買い直しが必要なら、追加する区間に使う小袋から考えます。余った種を使うかの確認は手持ち種の保存と発芽確認の記事へ。追加する区間に使う種と、手持ちの道具で準備します。価格と量を確認し、手持ちで足りるならそれを使いましょう。
まとめ:空いた列を全部埋めなくても小松菜は見守れる
列の空きだけで、残った株まで失敗扱いにしません。元気な芽で食べたい量が足りるなら育て続け、足りない時だけ追いまきやまき直しを選びます。土の状態と畝の予定に合わせて範囲を決めれば、今ある芽を生かせます。
小松菜の発芽むらについてよくある質問
追いまきには別の品種の小松菜を使ってもよいですか?
別品種を使うなら、その品種の栽培案内を読み、品種名の札を分けます。育つ速さや収穫の目安が違うため、管理しにくければ空いた区間や別の短い列へ分けてまきましょう。
芽が少ない列にも、いつもどおり追肥しますか?
芽が少ないからといって、肥料を増やして埋め合わせはしません。肥料を足しても株数は増えず、発芽むらの理由を取り除くことにもならないためです。追肥は種袋や品種の栽培案内で時期と量を確認し、残った株の育ち方を見て判断してください。
小松菜の芽か雑草か分からないときは抜きますか?
判断できない芽は、すぐに抜かず、まいた列の位置と種苗メーカーの生育写真を比べます。双葉だけでは見分けにくいので、写真を残して本葉の形も確認してください。次にまくときは列の両端へ目印を付けると、どこに小松菜が出るはずかを確かめやすくなります。


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