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ニンジン栽培で芽がまばらになるときは、薄い覆土と発芽までの水分管理が大切です。根が二股になる又根(またね)は、種まき前に石や硬い土の塊を取り除いて減らします。芽が出るまでは表土の湿りを保ち、その後は間引きで株間を取る。この切り替えが、収穫できる根を育てる要点です。関東の平地の露地栽培を基準に、夏まきと春まきの手順を説明します。
品種と季節で、根の長さと育つ期間を選ぶ
ニンジンはセリ科の根菜です。よく見かける五寸ニンジンのほか、短い根の品種や長い根の品種があります。掘れる土の深さと食べたい大きさを合わせて種を選びます。根が短い品種は浅い土でも作りやすく、長い品種はその長さに合わせて土をほぐす準備が要ります。
関東の平地では春は3〜4月ごろ、夏は7〜8月ごろの種まきが目安です。春まきは低温と、その後に花茎が伸びる「とう立ち」に気をつけ、夏まきは暑さと乾燥への備えが中心になります。寒冷地は夏の生育期間を取り、暖地は品種に合う秋まきの時期も含め、種袋の地域別カレンダーを見て決めます。
夏まきで秋冬に収穫する場合も、まく日が遅れると根が太る前に気温が下がります。収穫予定日から逆算し、畝を空ける日を先に決めましょう。種の加工によってまき方が違うこともあるため、コーティングされた種などは袋の水やりと覆土の指示を読みます。
又根を減らすため、根が伸びる深さまでほぐす
日当たりと水はけのよい畝を選び、土を根の長さより深くほぐします。五寸ニンジンなら、30cmほどの深さまで耕せると準備しやすくなります。大きな石、硬い土の塊、前作の太い根を取り除きます。根の先が障害物に当たったり傷ついたりすると、分かれた根になることがあります。
わが家では、ニンジンを始めたころに根が分かれるものが多くありました。まく前の段階で土の中を見ておくと、収穫後には直せない根の形に備えられます。前作の根をあまり気にしない畝でも、ダイコンとニンジンの場所は細かく片付けています。
堆肥は完熟したものを使い、種をまく前に十分なじませます。土の酸度、pH(ペーハー)を測り、育てる品種に合う範囲へ調整します。石灰が必要な場合は混ぜてから約1週間あけて堆肥と元肥を入れます。根菜は土づくりを早めに始め、できれば種まきの1か月ほど前から準備すると余裕が取れます。
元肥の量は、使う肥料袋のニンジン向けの1平方メートル当たり量に、畝の面積を掛けて量ります。複数の資材を使うときは含まれる養分を合わせて調整します。仕上げに種をまく表面を細かく砕き、平らにします。畝の中央に水が集まるくぼみができていないかも見ましょう。
酸度や水はけを整える土づくりも参考になります。
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硬い土をほぐし、土と資材を混ぜる作業に使います。
薄く土をかぶせ、発芽まで表面の湿りを保つ
ニンジンの種は発芽に光が役立つ性質があり、覆土は種が隠れる程度の薄さにします。条間20cm程度で浅い溝を作り、種を重ねすぎないよう均一にまきます。種をまいたあと、手や板で軽く押さえて土と密着させます。土との間にすき間が多いと種に水が届きにくいため、このひと手間が大切です。
ジョウロの細かい水で種をまいた列を湿らせます。夏は朝に表面の乾き方を見て、乾き始めたらやさしく水をまきます。土が十分湿っている日はその湿りを保ちます。発芽までの日数は気温や種の状態で変わるので、芽が出始めるまで列の位置が分かるようにしておきましょう。
種まき後の表面が白く乾く畝では、種のある深さの湿りを見ます。表面だけ軽く濡れる水やりだとすぐ乾くため、列の周囲にも水をしみ込ませます。強い水流で溝を掘るようにすると種が寄るので、数回に分けて散水します。大雨のあとは種が流れた場所や土が厚く積もった所を見ます。
芽がまばらな所は、種まき適期のうちならまき直せます。先に出た苗と混ざるので、まき直した日と位置を記録します。別の列で発芽がそろったなら、その列の湿りや覆土と比べると次の作業の参考になります。実際の畑で見えた差を記録しながら、同じ条件で試していきましょう。
本葉が増えたら間引きし、根の肩に土を寄せる
本葉2〜3枚ごろに混み合う所を間引き、株間3〜4cm程度にします。その後、本葉5〜6枚ごろを目安に、株間10〜12cm程度まで広げます。最終的な間隔は育てる品種の種袋に合わせます。小さい苗のうちに葉が重なりすぎると、光を受けにくくなり根が太るのが遅れます。
残す株の根元を押さえながら、間引く苗をゆっくり抜きます。苗同士が近くて根を動かしそうなら、小ばさみで間引く苗を切ります。残った株がぐらついた所は土を軽く寄せます。株の間に広さができたら、次に畑へ出る日にも葉が広がっているかを見ましょう。
追肥は最終の間引き後など、肥料袋の時期と生育に合わせて行います。列の間へまいて表土と軽く混ぜ、葉の付け根へ粒が入り込んだら取り除きます。根の肩が土から出てきたら、薄く土を寄せて日光を遮ります。肩が緑色になるのを防ぎ、根元のぐらつきも減らせます。
発芽後の水やりは、雨が降らず土の中まで乾いたときに行います。根が伸びたあとは種まき直後より広い範囲に根があるので、畝へしみ込むようにまきます。長雨のあとは通路に水が残っていないか見ます。乾きすぎと過湿の差を小さくする管理が、根を育てる助けになります。
間引いたあとは、残した苗の本葉が増える様子を見て、次の間引きの時期を決めます。葉が触れ合うほどになった所を先に作業し、苗が少ない列はその列の広さで見ます。同じ日にまいた種でも列によって育ちに差が出るため、葉の枚数を見て順に進めます。最後に土寄せしたあと、風で倒れる苗があれば土を軽く寄せ直しましょう。
葉の食害や斑点は、見つけた所から対処する
キアゲハの幼虫はニンジンの葉を食べます。葉が急に減ったら、残る葉と茎をよく見て取り除きます。小さな苗が地際で切られていたら、株元の土にネキリムシが隠れていないか見ます。虫の姿と被害の場所を一緒に記録すると、次に同じ食害が出たときに探しやすくなります。
防虫ネットを使うときは、種まき直後からトンネル支柱へ掛け、裾を閉じます。葉が大きくなると防虫ネットに触れるため、必要に応じて支柱の高さを調整します。間引きで開けた日は葉裏も見て、作業後に隙間を閉じます。網目によって防ぎやすい虫が違うので、被害が続くときは虫の種類と網の状態を見直します。
葉に黒や褐色の斑点が広がるときは、病気の疑いがあります。傷んだ葉を取り除き、列の間の風通しを見ます。症状が株全体へ広がるときはその株を畑の外へ運び、使った道具を洗って手入れします。葉の写真と症状が出た時期を残すと、種苗店などへ相談するときに説明できます。
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種まき直後から覆う防虫ネットです。網幅と畝幅、育つ葉の高さを合わせて使います。
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肩の太さと試し抜きで収穫し、葉を外して冷蔵する
収穫時期が近づいたら、土から見える根の肩の太さを見ます。五寸ニンジンでは直径4〜5cmほどが目安になり、品種の大きさと合わせて1本試し抜きします。わが家でも肩の太さをある程度見て収穫しています。抜いた根の長さと太さを見れば、その畝で次に採る株を選びやすくなります。
土が硬くて抜きにくいときは、株から少し離れた所へスコップを入れ、周りの土を緩めてから抜きます。刃の位置を根から離して、表面を傷つけるのを防ぎます。収穫を先延ばしにすると根割れや品質の低下が出ることがあるので、食べ頃になった株から順に採りましょう。
採ったニンジンは葉を切り離し、乾燥を防いで冷蔵します。葉を付けたままだと根の水分が失われやすくなります。葉を食べる場合は土をよく洗い、早めに調理します。根の傷や割れがあるものは先に使い、健全な根と分けて状態を見ます。
片付けで、次の栽培に向けた記録を残す
採り終えた畝は残った葉や根を片付け、土の硬さや石の多い場所を見ておきます。病気の株は畑の外へ運びます。発芽が悪かった列、又根が目立った区画、採れた時期を記録すると、翌年の準備で直す場所を選べます。
又根が多かった場合は、次回の耕し方、石や大きな根の除去、堆肥をなじませる期間を見直します。形の悪さが見えたことと、その原因を特定できたことは分けて記録します。ニンジンの根は地中で育つので、収穫時に見つかった状態を次の準備へ使いましょう。
まとめ|発芽と又根の対策
芽をそろえる段階では薄い覆土と表土の湿り、根を太らせる段階では間引きで取る株間が大切です。又根の対策は種まき前の土づくりで行い、収穫は肩の太さと1本の試し抜きで判断します。畑で見る場所が決まれば、まばらな発芽や根の形への不安を、次の作業へ変えられます。
よくある質問
二股のニンジンも食べられますか?
形が二股なだけで、腐敗や異臭などの傷みがなければ食べられます。分かれ目に土が残りやすいので、よく洗ってから調理します。割れ目が傷んでいるものは状態を見て食用から外し、保存する根は健全なものを選びましょう。
ニンジンは苗を買って植えられますか?
ニンジンは植え替えに向かないため、種を畑へ直接まきます。根を収穫するため、幼い根が傷むと形へ影響します。芽が欠けた所は、種まきの適期内にまき直します。発芽までの水やりを予定に組み、まく面積を管理できる広さにすると育てやすくなります。
ニンジンが発芽するまで水やりは必要ですか?
土の表面が乾かないように水やりをします。芽が出そろうまで、種が流れないよう優しくまきましょう。


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