夏に日が当たった畝なのに、秋になると建物や残した野菜の影がかかる。空いているから植えたいけれど、冬まで使える場所なのか迷うことがあります。
植える場所を決める前に、晴れた同じ日に朝・昼・午後の影を記録してみましょう。畝全体を日なたか日陰かに分けず、使いたい範囲にいつ日が当たるかを見ると、植える場所を絞る、別の区画へ替える、もう一度観察するという選択ができます。
夏の写真だけで秋冬の場所を決めない
夏と秋冬では、太陽の高さが違うためです。同じ建物や塀があっても、夏に空いていた場所へ秋冬は影が伸びることがあります。夏の収穫写真は作物の位置を思い出す手がかりにし、これから植える場所の光は今の畑で調べてください。
わが家の畑では、背の高い野菜の陰になる部分が、周りより乾くのに時間がかかることがあります。水たまりにならなくても、数日湿ったままの場所があるのです。この経験からも、畑全体を同じ環境として見るより、影になる範囲を分けておくことが大事だと感じます。
日当たりを調べる目的は、湿った場所の原因を光だけで決めることではありません。今回は植える前の場所選びです。雨後の土の状態は別に記録し、日が当たるから排水もよい、とひとまとめにしないようにしましょう。
関東平地の露地で秋冬の作付けを考える時も、使う品種の適期と栽培条件が前提になります。寒冷地は植えられる時期をより早く確認し、暖地も冬の実際の影を見てください。地域名だけから、自分の畝に日が当たる時間までは決まりません。
畝の図に、影を作る物と植えたい位置を描く
紙には畑の形と通路、使いたい畝を描きます。正確な縮尺より、同じ場所を何度も指せることを優先しましょう。畝の端、中央、建物に近い側など、植える候補の位置が分かれば記録を始められます。
続いて、建物、塀、樹木、支柱を立てた野菜など、影に関係しそうな物を添えます。残す野菜と片付ける予定の野菜は、別に印を付けてください。建物の影はそのまま残っても、栽培中の株が作る影は、片付けた後に変わるためです。
方角が分からなければ、スマホの方位表示などを目安に図へ書き、実際の影の記録を重ねます。方角だけで「ここが一番よい」と結論を出す必要はありません。建物の高さや位置が違えば、同じ南向きの畑でも使える範囲は変わります。
畝全体を使う予定なら、観察する場所には中央だけでなく両端も必要です。端が建物の影に入るのに、中央の写真一枚を見て全体を日なたと扱うと、植えた後に場所による違いが分かりにくくなります。どこを見た記録かを残すことが最初の仕事です。
晴れた同じ日の朝・昼・午後に日当たりを見る
観察する日は、地面に落ちる影の境目が分かる晴れた日を選びます。朝、昼ごろ、午後に同じ候補区画を見て、時刻と天気、その場所に直射日光が当たっているかを書きましょう。白く明るく見えるだけで、日が直接当たっていると判定しないことが大切です。
写真は、畝の端や通路などの目印を入れ、できるだけ同じ位置から撮ります。影の形だけを大きく写した写真では、場所が分からなくなるためです。スマホに撮影時刻が残っていても、図のどの区画かを一言添えると、次の記録と比べやすくなります。
時刻は生活の中で観察できる範囲で決めてかまいません。ただし、別の日の朝と昼をつないで、一日の記録が取れたとは扱わないようにします。天気や片付けた作物が違う日なら、条件の違いも残して別の記録にしてください。
次は記録の書き方の例です。「日なた」「影」のほか、影を作る物が分かれば一緒に書きます。ここから日照時間を計算する表ではなく、どの区画を詳しく観察したいかを選ぶために使います。
| 候補の位置 | 朝 | 昼ごろ | 午後 |
|---|---|---|---|
| 畝の入口側 | 塀の影 | 日なた | 建物の影 |
| 畝の中央 | 日なた | 日なた | 日なた |
| 残す野菜の横 | 葉の影 | 葉の影 | 日なた |
朝と昼が日なたでも、その間ずっと日が当たっていたとまでは分かりません。必要な日照条件を判断しきれない区画は、影が切り替わる時間帯も追加で見ます。次に見る所を決めるため、分からない時間は空けておいてください。
雲による暗さと、建物や葉の影を分ける
雲が広がって畑全体が暗くなった時は、その時刻を「曇りで判定保留」と書きます。建物の影に入った時と同じ記号にしないでください。写真一枚では、何が光を遮ったか分からなくなるためです。
葉のすき間から日が差す場所は、地面全体が日なたになる場所と分けて記録します。風で揺れた葉の影が一瞬どいただけなら、その写真だけを採用しません。使いたい範囲に光が届く様子をしばらく見て、部分的なのかを言葉で添えましょう。
隣の畝の野菜を残す予定なら、今の影をその条件として受け入れて場所を選びます。片付ける予定なら、作業後にもう一度見る日を決めておくと判断できます。日当たりをよくするためだけに、まだ収穫できる株をすぐ抜く必要はありません。
市民農園では、自分の区画の外にある物を動かす前提で計画しないことも大切です。共有の樹木や隣の支柱は、自分で変えられる条件ではありません。変えられない影と、植える範囲の調整を分ければ、実行できる候補が残ります。
作物の条件と比べ、畝の一部を使う選択も残す
使える範囲が狭い時は、植えたい野菜の中でどれを優先するかも考えます。苗を買ってから置き場所を探すと、影の多い所へ無理に植えたくなりがちです。購入する苗の数を決める前に、必要な株間を図へ書き込みましょう。
何度も行くのが難しければ、最初の記録から気になる区画を一つに絞って再観察します。畑全体を調べ直すより、植えたい場所の不明な時間帯を埋める方が判断に近づきます。候補を増やしすぎず、使う場所を決めるための記録にしてください。
記録がそろったら、植えたい野菜の種袋や種苗メーカーの栽培案内にある日照・温度・適期と比べます。日当たりが少なくても育つ野菜があるという一般情報だけで、今からどの品種でもまけると判断しないようにしましょう。
候補区画を比べる時は、日なたの範囲だけでなく、連作を避けられるか、通路を残せるか、株間を取れるかも確かめます。光が当たる細い部分へ株を詰めて、本来の間隔をなくしてしまっては管理が難しくなります。明るい場所に収まる株数へ減らすことも選択肢です。
畝を動かせなくても、全体へ植えるか、一部を空けるかは変えられます。中央には日が当たるが端が長く影になるなら、使える部分だけへ配置する案を考えます。余った種や苗を入れ切ることより、無理なく育てられる範囲を優先してください。
日照条件が合うか判断できない時は、その場で植えず、別の区画を使うか観察を追加します。適期を過ぎるなら次の作期へ回す選択も残しましょう。畝を埋めることが目的になると、光の確認をした意味が薄れてしまいます。
場所を絞った後の輪作や配置は、家庭菜園の作付け表を作る方法へ。豆を考えている方は、ソラマメとスナップエンドウの秋まきで畑と順番を決める考え方を参考にしてください。
植えた後も、冬へ向けて同じ位置を見直す
秋の観察が終わっても、その影が冬の間ずっと同じとは限りません。植えた範囲を図に残し、季節が進んだ時に同じ目印から見直します。「この区画は冬も大丈夫」と記憶だけで扱わず、前回との違いを残せるようにしておきましょう。
日陰になりやすい側は、土の乾き方も別に見ます。露地では雨の後に土が湿っていれば追加の水やりはしません。まいた場所が乾いて水が必要な時は、ジョウロの細かい水を低く静かに与えて浸透を待ち、日なたと日陰へ同じ量を機械的に回さないようにします。
育ち方が違っても、日当たりだけを原因とせず、葉の食害、斑点、土の状態も記録します。エンドウの葉に白い粉状の斑点があれば、うどんこ病などの症状と比べてください。影の記録だけでは病気の有無まで判断できません。同じ作物を条件をそろえて比べていない時は、影がある側の生育差だけで原因を決められません。写真と作業の記録を合わせて、次に見る点を絞ってください。
まとめ:畝を全部使う前に、光が届く範囲を選ぶ
秋冬の日当たりは、使いたい畝を晴れた同じ日の朝・昼・午後で見て調べます。影を作る物と時刻を残すと、畝の中央と端、残す野菜の横などを分けて考えられます。そこから作物の条件に合う場所と株数を選びましょう。
今日できるのは、畝の図に候補の位置を一つ描くことです。光の当たり方が分かれば、空いている所を全部埋めなくても、使える範囲から冬の菜園を始められます。植えた後の記録も、次の秋に場所を選ぶ手がかりになります。
秋冬の日当たり確認でよくある質問
写真に隣の家が写る時は、どう記録すればいい?
畝と影の境目、撮影位置の目印が分かる範囲に絞り、窓や表札、人の顔を入れずに撮ります。写真では避けにくければ、畝の図に影の範囲と時刻を書き込む方法でも記録できます。家族以外へ見せる時は、保存した写真に周囲の私生活が写っていないかも確かめてください。
スマホの明るさを測るアプリだけで場所を選べる?
その瞬間の測定だけでは、建物の影が何時にかかるかや、冬に向かう変化までは分かりません。使うなら測定条件をそろえた補助記録とし、時刻ごとの影の位置も残します。数値を作物共通の合格点へ読み替えないようにしましょう。
落葉樹の葉が落ちる予定なら、その下へ植えていい?
葉が落ちても枝や幹、近くの建物の影は残るので、予定だけで日照が確保できるとは決めません。落葉後の実際の光を見てから判断できる作期かを考えます。待つと適期を逃す場合は、今の記録で条件を確かめられる別の区画を候補にしてください。

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