ハクサイを種から育てると、苗から植えるのとは違って「間引き」と「追肥のタイミング」を自分で考えることになります。ここをうまくやれば、丈夫な株を1本に絞り込み、しっかり結球するハクサイに育てられます。
私は「耐病早生60日型」(サカタのタネ)を蒔いて育てています。このページでは、20年以上家庭菜園を続けてきた経験をもとに、ハクサイの種まき後の間引きの進め方・追肥のタイミング・アオムシと根こぶ病の対策まで説明します。追肥の話は、苗から植えた方にも参考になります。
種からのハクサイは「3回の間引きで1本に絞る」
種から育てるハクサイで大事なのは、成長を見ながら3回に分けて間引き、最終的に元気な1本に絞り込むことです。
一度に間引くのではなく、本葉の枚数に合わせて段階的に減らしていくのがコツです。そうすることで、虫に食われたり生育の悪い株を見極めながら、いちばん丈夫な株を残せます。まずはこの「段階的に1本立ちへ」という流れを押さえて、具体的な間引きを見ていきましょう。
間引き1回目:本葉1枚のころ
種まき後3〜4日くらいで発芽します。もし1週間たっても発芽しなければ、種を蒔き直すか、苗を購入して植えましょう。
双葉から本葉が出てくるころに、3〜4本に間引きます。残すのは、生長の早いもの、虫食いのないものです。この段階では、明らかに弱い芽や食われている芽を取り除くイメージです。
間引き2回目:本葉2〜3枚のころ
1回目の間引きから数日で、本葉が2〜3枚に増えてきます。間隔は短いですが、1回目と同じように、生長のよさ・虫食いの有無を見て間引きます。これに加えて、葉の色が鮮やかな緑色であるものを残すと、より元気な株を選べます。
間引き3回目:本葉4〜5枚で1本立ちに
本葉が4〜5枚になったら、ここで1本立ちにします。本葉4〜5枚というのは、苗を買うときに確認するのと同じ、植え付けに適した葉の状態です。最後の間引きになるので、害虫被害がないかしっかり確認して、いちばん元気な1本を選びましょう。
追肥:1本立ちのタイミングから始める
最初の追肥は、間引き3回目(1本立ち)のときです。植え付けからでいうと2〜3週間たったころにあたります。1株あたり3gほどの化成肥料を株元に撒き、土寄せもあわせて行います。
以降は2〜3週間に1回、3gの化成肥料を与えて中耕します。追肥で注意したいのは、肥料が直接葉に当たると肥料やけを起こすことです。必ず外葉の下に撒き、中耕して土になじませてください。
おすすめ用品:白菜専用肥料
ハクサイは短期間で大きく育つため、追肥を切らさないことが結球のカギになります。専用肥料なら必要な成分がまとまっているので、2〜3週間おきの追肥に使いやすいです。
状態確認と対策:アオムシと根こぶ病
状態確認でいちばん大事なのは、なんといっても害虫被害のチェックです。
最初から防虫ネットを使っていれば被害は少ないですが、ネットに穴が空いていたり、間引きなどの作業中にネット内へ入ってくる虫もいます。とくにアオムシは食欲旺盛で、見逃すとあっという間に葉を食べつくされてしまいます。対策は、成虫のモンシロチョウを近づけないことから。コンパニオンプランツとしてセリ科の野菜を一緒に植えて、においで寄せつけにくくする方法もあります。それでも卵を産み付けられることがあるので、見つけしだい捕殺します。アオムシは葉の裏に隠れているので、入念に確認してください。
もうひとつ注意したいのが根こぶ病です。排水の悪い畝で起こりやすく、根に大小のコブができて生育不良になり、最終的には枯れてしまいます。対策は高畝にして排水性をよくすること。それでも生育不良で枯れてきたら、早めに抜いて根を確認します。根こぶ病なら伝染するので、感染株は畑の外へ持ち出して処分し、畝は消石灰を散布して消毒します。
よくある質問
間引きは何回に分けますか?
3回に分けるのがおすすめです。本葉1枚で3〜4本に、本葉2〜3枚でさらに絞り、本葉4〜5枚で1本立ちにします。段階的に間引くことで、虫食いや生育の悪い株を見極めながら、いちばん丈夫な株を残せます。一度に間引くより失敗が少なくなります。
追肥はいつから始めればいいですか?
1本立ちにする間引き3回目のタイミングからです。植え付けからでいうと2〜3週間後にあたります。以降は2〜3週間おきに化成肥料を与えます。肥料が葉に直接当たると肥料やけするので、外葉の下に撒いて中耕してください。これは苗から植えた場合も同じ考え方です。
葉に穴があいています。どうすればいいですか?
アオムシの食害の可能性が高いです。葉の裏を入念に確認し、見つけしだい捕殺してください。防虫ネットに穴やすき間がないかもチェックします。葉が急にボロボロになっているときは、ネットの中に虫が入り込んでいることが多いので、早めの確認と対処が肝心です。
間引き後のケア:水やり・ネットの戻し・根こぶ病の見分け方
間引きのたびに土が掘り起こされ、根が少し傷みます。間引き後はたっぷり水をやり、根がしっかり落ち着くようにします。特に間引き直後は土が乾きやすいので、翌日も様子を見て乾いていればもう一度水をやります。
間引きや追肥でネットをめくったあとは、すそまですき間なくかけなおすのを忘れずに。わずかなすき間からモンシロチョウが入り込みます。かけ直す前に葉の裏を軽く確認する習慣をつけておくと、被害を早期に発見できます。
根こぶ病は、葉が黄色くなってしおれてくる症状から気づくことが多いです。株を抜いて根を見ると、ゴツゴツとしたコブが複数できています。早期なら小さいコブが数個、進行すると根全体がこぶだらけになります。見つけたら周囲の株も確認し、感染した株は早めに抜いて畑の外に持ち出してください。
まとめ
種から育てるハクサイは、本葉の枚数に合わせて3回に分けて間引き、いちばん元気な1本に絞り込むことが第一歩です。1本立ちのタイミングから追肥を始め、2〜3週間おきに切らさず与えれば、外葉が大きく育って結球につながります。
あとはアオムシと根こぶ病に気をつけて、葉の裏のチェックと高畝での排水対策を。しっかり観察して早め早めに手を打てば、見た目もきれいなハクサイに育ちます。種から育てたぶん、収穫の喜びもひとしおです。




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