ホウレンソウの種まき方|冬どりの適期・酸度調整・鳥よけ防虫ネットまで

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10月の作業
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ホウレンソウは寒さに当たるほど甘くなる、冬の家庭菜園にぴったりの葉物です。葉を凍らせないように糖をためこむので、寒い時期に育てたものはぐっと味が濃くなります。

ただ、種まきの時期を間違えると、暖かさですぐにとう立ち(花茎が伸びて葉が固くなること)してしまったり、発芽がそろわなかったりします。このページでは、20年以上家庭菜園を続けてきた経験をもとに、ホウレンソウの種まき適期・土の酸度調整・すじまきのやり方、そして意外と見落としがちな鳥対策まで、冬どりを成功させる流れで説明します。

ホウレンソウ栽培のカギは「寒くなる前にある程度育てる」

ホウレンソウで失敗を減らすいちばんのコツは、寒くなる前にある程度の大きさまで育てておくことです。

私の感覚では、夏に蒔くとあっという間にとう立ちしてしまいます。一方で、寒くなる前にある程度育てておけば、冬の間はゆっくり育ち、翌年の春に暖かくなるまでとう立ちせずに畑に置いておけます。つまり「収穫を急がなくても、畑が冷蔵庫がわりになる」感覚です。まずはこの時間の使い方を頭に入れて、具体的な作業を見ていきましょう。

ホウレンソウの基本データと種まき適期

まず栽培の前提を押さえます。

  • 科目:ヒユ科(連作障害は1〜2年あける)
  • 土壌酸度:pH6.5〜7.0
  • 発芽適温:15〜20℃
  • 生育適温:15〜20℃
  • 種まき適期:10月ごろ
  • 収穫まで:2か月以上

ホウレンソウでとくに大事なのが土の酸度です。ホウレンソウは酸性土壌をひどく嫌い、酸性のままだと発芽がそろわず生育も悪くなります。種まきの2週間ほど前には酸度を測り、苦土石灰で中和しておきましょう。発芽・生育とも15〜20℃が適温なので、時期が遅れて寒くなってから蒔くときは、マルチや保温シートで温度を確保する必要があります。

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畝準備と肥料

畝の目安は次のとおりです。

  • 畝幅:1m × 長さ3m
  • 株間:15cm
  • 列間:15cm
  • 畝高:5〜10cm

ホウレンソウは畝を高くせず、葉が広がる幅を持たせて蒔きます。肥料は有機肥料と化成肥料を併用します。鶏ふん(1㎡あたり100g)、牛ふん(1㎡あたり3L)、米ぬか(1㎡あたり50g)、化成肥料(1㎡あたり50g)が目安です。酸度を測ってpH6.8など中性に近ければ、有機石灰(1㎡あたり50g)をすき込んで微調整します。

種まき:すじまきで間引きながら育てる

株間15cmほどになるように、空き缶などを押し当てて深さ1cmほどの穴を作り、種を蒔きます。1か所に5〜8粒ほど蒔いておくと安心です。発芽率や寒さを考えて、少し多めに蒔いておき、発芽の様子を見て間引きながら育てます。すじまき(線状に蒔く方法)でもかまいません。

種を蒔いたら軽く土をかけて鎮圧し、水をたっぷりかけます。鎮圧することで種と土が密着し、発芽がそろいやすくなります。

冬こそ必要:鳥対策の防虫ネット

「これから寒くなるのに、防虫ネットなんているの?」と思うかもしれません。じつは、冬のネットは虫よけではなく鳥よけのために使います。

冬は鳥たちにとって食べ物が少ない季節です。私の畑でも、油断すると畑のホウレンソウが鳥に食べられてしまいます。しかも鳥はきれいに食べてくれず、ブチブチと食い荒らすので、畑が無残な姿になってしまいます。これを防ぐため、種まき後から収穫まで防虫ネットを外さずにかけておきます。寒い時期は虫の心配が減るぶん、鳥対策に切り替えると覚えておくとよいでしょう。

おすすめ用品:防虫ネット

冬のホウレンソウは鳥に食べられやすいため、種まき後から収穫までネットをかけておくと安心です。鳥よけだけでなく、時期によっては虫よけにも使えます。

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種まきが遅れたらマルチと保温シートで

種まきの時期が遅くなってしまったときは、マルチと保温シートを活用します。手順は次のとおりです。

  • 畝を立てたら、株間15cm用の黒穴あきマルチを畝幅に合わせて張る
  • 種まき後、上から不織布をかけ、周囲をピンで留めて水をたっぷりやる
  • 最後に保温シートでトンネルを作り、外気が入らないようにする

この方法なら、12月になっても種まきが可能です。寒さで発芽しにくい時期でも、温度を確保すれば芽を出させることができます。

よくある質問

ホウレンソウがすぐとう立ちしてしまいます。なぜですか?

暖かい時期に蒔くと、とう立ちしやすくなります。私の感覚でも、夏まきはあっという間に花茎が伸びてしまいます。とう立ちを避けたいなら、涼しくなる10月ごろに蒔き、寒くなる前にある程度育てるのがコツです。寒い時期に育てたものは春の暖かさが来るまでとう立ちしにくく、長く畑に置いておけます。

発芽がそろわないのですが、何が原因ですか?

多くは土が酸性に傾いていることが原因です。ホウレンソウは酸性土壌を強く嫌うので、種まきの2週間前に酸度を測り、苦土石灰で中和しておきましょう。また、種を蒔いたあとに軽く鎮圧して土と種を密着させ、水をたっぷりやることでも発芽がそろいやすくなります。

冬でも防虫ネットは必要ですか?

必要です。ただし目的は虫よけではなく鳥よけです。冬は鳥の食べ物が減るため、畑のホウレンソウが食い荒らされやすくなります。種まき後から収穫までネットをかけておけば、鳥の被害を防げます。寒い時期は「虫よけネット」を「鳥よけネット」として使うイメージです。

まとめ

ホウレンソウは、寒さに当てるほど甘くなる冬の楽しみです。失敗を減らすコツは、種まき前に酸度を中和しておくことと、寒くなる前にある程度の大きさまで育てておくこと。そうすれば、暖かくなるまでとう立ちせず、畑に置いたまま少しずつ収穫できます。

種まきが遅れてもマルチと保温シートで12月まで蒔けますし、冬は防虫ネットを鳥よけに切り替えればしっかり守れます。時期と酸度、この2つさえ押さえれば、甘い冬どりホウレンソウは難しくありません。

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