ナスの育て方|苗選び・枝の支え方・秋の片付けまで

ナス栽培

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ナスを長く収穫するには、苗の植え時だけでなく、夏の水切れや枝折れにも気をつけたいところです。暖かくなってから苗を植え、土の乾きと枝の伸びを見ながら世話をすると、若い実を繰り返し採れます。苗選びから植え付け、手入れ、収穫と片づけまでを順に紹介します。

基本・品種|ナスの育つ時期と選び方

ナスは暖かい時期に枝を伸ばし、何度も実を採る野菜です。長い収穫期間に備え、枝を支える場所と、夏の水やりに通えるかを先に考えます。水が届きにくい畑で株数を増やしすぎると、実をつけ続ける時期に管理が追いつきません。

丸いナス、細長いナスなど、育てる種類で実の形や採り時の大きさが違います。ホームセンターの苗売り場でもよく見かける定番の「千両二号」は、卵形でやや長い実がなる品種です。苗のラベルで実の形を見て、料理に使いたいものを選びましょう。種からは保温しながら長く苗を育てる必要があるため、家庭で少数株を作るなら、植える時期に合った苗を買う方法が取り組みやすいでしょう。

接ぎ木苗は、根になる別の株(台木)に、ナスの茎をつないで育てた苗です。台木には対応する土の病気に強い性質があり、苗のラベルで対象を確認できます。去年ナスやトマトを育てた場所、急にしおれた株の有無を振り返り、作る場所も変えます。苗は茎がしっかりし、葉裏に虫がなく、根元が黒く傷んでいないものを選びます。

準備|土と畝を整える

土の酸度を測り、調整が必要なら石灰をまいて耕します。1週間ほどあけてから完熟堆肥と元肥を混ぜます。量は使う製品の面積当たり量に畝の面積を掛けて量ります。前作に使った肥料の記録も見ておきましょう。

日が当たり、雨の後に水が引く場所へ植えます。土の適度な湿りを保てるようにします。根へ空気が届かず弱ると、土が濡れていてもしおれます。畝間の排水先まで確認し、前作(前に育てた野菜)の太い根や病気の残った茎や葉を取り除いておきます。

元肥は畝の土全体へ均一に混ぜます。肥料の粒の固まりをほぐし、根が伸びる範囲へ行き渡らせましょう。

株間はおおむね60cmを目安に、品種や仕立て方に合わせて余裕を取ります。株の外からはさみを入れられる通路も残しましょう。隣の野菜が夏にどれだけ大きくなるかも見ておくと、葉が重なって実を見落とす事態を減らせます。支柱は苗が小さいうちに立てる位置を決め、後から根を何度も傷めないようにします。

種まき・植え付け|根づくまでの作業

関東の平地では、遅霜を避けられる5月頃が露地植えの目安です。寒冷地ではさらに遅く、暖地では早めになることもありますが、夜の気温と霜予報を見て植える日を決めます。苗を買う日も、畑へ植えられる時期へ合わせてください。

植える前にポットの土へ水を与え、根と土のまとまりを保って取り出します。根鉢は苗の根と土がまとまった部分です。畑の土と同じ高さを基本にし、接ぎ木部分を土へ埋めません。深植えして接ぎ木の上から根が出ると、台木を使う意味が弱まります。

植えたら根鉢と周囲の土がなじむよう水を与え、仮支柱へゆとりを持たせて結びます。ひもは茎と支柱の間で交差させ、茎を締め付けない形にします。翌週は苗のぐらつき、新しい葉、結び目を確認します。植えた直後にしおれたときは、根鉢の乾きと、風で苗がぐらつくかを見ましょう。

管理|枝の仕立て・水やり・追肥

ナスは3本仕立てか4本仕立てにします。主枝を残し、一番花のすぐ下などから出る元気な枝を選び、合わせて3〜4本にしてそれぞれ支柱で支えます。誘引(ゆういん)は、枝を支柱へ導いて留める作業です。枝が伸びたら、茎が太る余裕を残して結び直しましょう。

主枝から出る脇芽は、実を1つ付けたら、その先の葉を1枚残して摘心(てきしん:枝の先を摘むこと)します。枝の込み合いを抑え、実に栄養が行くようにする管理です。切る前に、実の位置とその先の葉を確かめましょう。夏の更新剪定は枝を切り戻して新しい枝を育てる作業で、暖かい時期に行います。

ナスは水切れが続くと、実が硬くなったり花が落ちたりしやすくなります。晴れた朝に土の表面だけでなく少し下を見て、乾いているなら株元へ十分に水を与えます。水は根のある範囲へ、土にしみ込むまでゆっくりまきます。敷きわらやマルチで乾き方を和らげても、雨が届いているかは別に確認します。

昼だけしおれて朝には戻るのか、朝からぐったりしているのかでも見る点が変わります。湿った土でしおれが続くなら、排水や根、茎の傷みを調べます。急に株全体がしおれる場合は青枯病も疑い、株元と隣の株の様子を見ます。

追肥は実が付き始めたら2週間に1回を目安に行います。畝の面積に合わせて製品の表示量を量り、茎から離してまき、土と軽く混ぜます。追肥をしたら、次の作業日をカレンダーへ入れておきます。

葉が混み合ったら、実や花を隠す古い葉や傷んだ葉を少しずつ取り、実を育てる健全な葉を残します。葉裏のハダニ、葉を食べるテントウムシダマシの仲間、花の近くの虫も見て、見つけた虫を取り除きましょう。

おすすめ用品:支柱と誘引用品・元肥・追肥用の肥料

茎を支柱へゆるく結ぶ園芸用のひもです。茎が太る余裕を残して留めます。

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茎葉を支える支柱・固定用品です。必要な高さと本数、使う支柱に合う寸法を確認します。

タカショー 支柱誘引クリップ 小 10個入 GCP-08N

茎葉を支える支柱・固定用品です。必要な高さと本数、使う支柱に合う寸法を確認します。

Sprigra 支柱 180cm 10本セット

元肥と生育途中の養分補給に使う肥料です。袋を閉じて湿気の少ない場所に保管すると、次の作業にも使いやすくなります。

東商 ナス科野菜の肥料 700g

収穫・保存|採り時と保存の仕方

苗のラベルの収穫サイズを目安に、皮につやがある若い実を順に採ります。最初についた実は小さいうちに採ると、まだ小さい株の負担を軽くできます。実を支えて付け根の茎をはさみで切ります。ヘタのとげには手袋で備えましょう。

持ち帰った実は乾燥を避けて包み、冷蔵庫の野菜室で早めに使います。低温に長く置くと傷むこともあるため、多く採れた分は、切って加熱調理するなど使う予定を立ててください。傷や腐敗のある実は健全な実から分けます。

おすすめ用品:収穫・手入れ用のはさみ

実を支えながら柄を切るためのはさみです。手持ちの清潔な園芸ばさみも使えます。

髙儀(Takagi) 畑サイクル ステンレス 収穫用 菜園鋏 160mm

片づけ|残った株と資材を整える

秋は、花の数より今ある実が数日で太っているかを見ます。冷え込みで太りが止まり、次作(次に育てる野菜)の植え付けが迫るなら、使える実を採って終了します。残す場合も霜の予報を確認しましょう。

わが家では、実が大きくならなくなったら片づけます。

株を切る前にひもを緩め、隣の作物へ枝を倒さない向きで小さく分けます。株を抜いたら、使ったマルチと支柱を片づけます。虫の残る葉や病気が疑われる株を畝に放置すると、片づけた後も次作へ影響が残ることがあります。

支柱とはさみの土や汁を落とし、乾かして傷みを確かめます。細い支柱で枝の重みを受け切れなかったなら、翌年は主枝用に太さと長さのある支柱を用意する判断につながります。使える道具は残し、買い足す前に必要な本数を数えましょう。

菜園日誌には、最初の収穫、花が落ちた頃の暑さと水の状態、秋に片づけた理由を残します。その日の土の乾きや葉の様子、行った作業も書くと来年比べられます。詳しい不調の見方はナスの花落ち・実の不調の調べ方も参考になります。

よくある失敗|症状に合う作業を選ぶ

花が落ちる、実が硬くなるとき

花が落ちるときは土の中が乾いていないか、葉裏に虫がいないかを見ます。乾いていれば株元へ水をまきます。実が硬い場合は採り遅れも振り返り、品種の大きさに達した若い実から採りましょう。晴天が続く週は、次に畑へ出る日まで土の湿りが保てるかも見ておきます。

まとめ|花落ちと硬い実を減らすには、水切れと枝の負担を減らす

花が落ちたり実が硬くなったりしたときは、水やりの節で土の中の乾きを見て、乾いていれば株元へ十分にまきます。3〜4本に仕立てて枝を支え、実を1つ付けた脇枝は先の葉を1枚残して摘心すると、枝が込み合う悩みにも対処できます。実が付き始めたら2週間に1回を目安に追肥し、若い実を順に採りましょう。

よくある質問

台木の近くから違う形の葉が出ました。残しますか?

接ぎ木部分より下から出る芽は、台木の芽である可能性があります。苗のラベルと接ぎ木の位置を確かめ、台木から出た芽なら小さいうちに除きます。ナス本体の枝を誤って取らないよう、付け根までたどってください。放置して大きくすると取りにくいため、植えた後の見回りで株元も見ます。

取った種を来年まいて、同じナスになりますか?

F1の品種は、自分で採った種をまいても同じ性質がそろうとは限りません。食用の若い実からは、十分熟した種も採れません。同じ品種を再び育てたいなら、品種名を記録して種や苗を用意する方法が確実です。自家採種を試す場合は品種の条件や育成者権の扱いも確認します。

枝が途中で折れました。株ごと抜く必要がありますか?

折れた枝だけなのか、主茎や株元まで裂けているのかを先に見ます。枝先だけなら傷んだ部分を切り、残る枝が倒れないよう支え直します。株全体がぐらつく場合は、採れる実を収穫して株の負担を減らしてください。次の強風へ備え、枝が伸びた時点で結び目と支柱を増やすとよいでしょう。

参考にした資料

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